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画像と地図情報を連携した避難・被害情報共有システムを用いて災害時の情報収集・共有を効率化する検証

2023.03.20
  • 多賀城市
  • 株式会社ミライエ
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  • BOSAI-TECH Business Creation Program
BOSAI-TECH事業創出プログラム 仙台BOSAI-TECH Future Awards 2022において、
株式会社ミライエが、画像と地図情報を連携した避難・被害情報共有システムを用いて災害時の情報収集・共有を効率化する検証を行いました。
成果報告書はこちら
1.背景と課題
従来、多賀城市では、災害発生時の被害情報の報告は、無線機により音声で伝達しています。正確な位置や被害状況の伝達が難しいという課題があります。
また、対応状況は主に紙で管理しています。発災時に刻々と変わる対応状況を紙で正確に管理することは難しい点があります。
今年度、多賀城市は画像や動画を撮影できるAndroidOS対応のIP無線機を導入しました。
このIP無線機から、現地の画像や動画、位置情報を受け取り、本部パソコン上で地図上でのプロット、写真・動画の確認、時系列での対応状況確認が可能なシステムをご提案しました。
2.実証実験の実施内容
「三陸沖を震源とする大規模地震が発生し、大津波警報が発表された」という想定のもと、IP無線機を用いて避難・被害状況を報告する実証実験を行いました。
現地班は多賀城市内4箇所から、IP無線機にて「写真」「動画」「位置情報」「対応状況」「緊急度」等を送信。
本部班は、パソコン上から、IP無線機から届く情報を確認。地図上での俯瞰表示や絞り込み、時系列での一覧、津波浸水想定域との重ね合わせ機能等を利用して状況を把握しました。
事後アンケートにて、システムの有用性、利用の容易さ、課題について回答を得ました。
3.実証実験結果
実証実験を通じて、12枚の写真、6枚の動画が共有されました。
アンケートは、現地班4名、本部班5名の計9名から回答を得ました。
システムの有用性に関しては、「役立ちそう」3名、「やや役立ちそう」6名と、一定の評価がありました。
肯定的なコメントとしては「画像の共有に有効」「動画は静止画と比較して分かりやすい」などの意見が得られました。
一方で否定的なコメントとしては、「写真・動画の登録が難しかった」「位置情報の登録が難しかった」「情報の反映までタイムラグがあった」などが上がりました。
システムの操作性や、情報反映のタイムラグについて、改善の必要があることが示唆されました。
4.今後の展開
今回の実証実験から得られた知見を踏まえ、さらに改善していきたいと考えます。
課題として挙げられた「登録が難しい」「情報の反映までにタイムラグがあった」は、IP無線機側で複数アプリ(Googleフォトとウェブ画面)を利用して情報を登録する方式だったことが原因です。
今後「1つのアプリによりタイムラグなく登録が完結する仕組み」への変更を検討します。
システムの改良ができた際には、多賀城市様に再度検証をお願いすることで、本導入の検討をいただくことを目指します。

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