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PROGRAM

仙台BOSAI-TECH Lounge(ラウンジ) #2.座談会

* 本イベントは終了いたしました。 *
防災領域における自治体の課題感や現状について意見交換を行う座談会を企画しました。

今回は“避難所運営”をテーマに、地形や災害の特徴が異なる複数の自治体をゲストにお呼びし、
現場で生じている課題や理想とする避難所運営について、担当者に語って頂きます。

避難所運営における各自治体の取り組みや現場の実態を知り、防災ソリューションの開発に活かす機会として、是非、ご参加ください。
また、他地域の情報を収集されたい自治体職員の方のご参加もお待ちしております。
次のような方におすすめです
  • 自社のテクノロジーを防災事業へ応用することを考えている方
  • 防災領域で社会実装や事業化を検討中の方
  • 他地域の防災課題や避難所運営の工夫について知りたい自治体担当者の方
※当イベントは仙台BOSAI-TECHプラットフォーム会員以外の方もご視聴頂けます。お気軽にご参加下さい。

開催要項

開催日時 2022年 9月 27日(火) 15:00~16:00
開催場所 オンライン(Zoom)
※申し込み頂いた方へ、開催日前にZoomへのアクセス情報をメールでお送りします。
参加費用 無料
GUEST|ゲスト
  • 宮城県塩竈市

    総務部・危機管理課

  • 宮城県利府町

    総務部・危機対策課

  • 兵庫県神戸市

    危機管理室

AGENDA|アジェンダ
  • ご挨拶
   ・座談会について
   ・ゲスト自治体のご紹介
  • 自治体の避難所運営のリアルを知ろう!
  (ゲストから以下のテーマでお話を伺います)
   ・自治体の基本情報
   ・避難所運営の流れ
   ・避難所運営の体制
   ・避難所運営の課題
   ・現在取り組んでいること、今後取り組みたいこと
  • 質疑応答

お申し込み

* 本イベントは終了いたしました。 *
当イベントは事前申込制です。
申込み頂いた方へ開催日前にZoomへのアクセス情報をメールでお送りします。
当日、ご参加頂けない方も、後日、アーカイブ動画を配信しますので、配信の連絡を希望される方は上記からお申し込みをお願いします。

資料ダウンロード 

質疑応答(一部公開)

食に関する現状の課題について、どのようにお考えか教えて頂けないでしょうか? [質問者:民間企業]
仙台市
感染症への対策として、備蓄食料を従来の炊き出し型から個食型への切り替えを進めております。
低体温症への対策として、温かい食事の提供について今後の検討課題と考えています。
塩竈市
現在は、5年の保存食のアルファ化米を配備しているが、相当数の数量があり、入れ替えのことも勘案すると、水のように15年といった保存年限が長いものがあるとよいと考えています。また、毎食同じ食事が続くとストレスを溜める要因にもなり得ると考えています。
利府町
避難生活の長さと、快適性、充実感のニーズの増加が正比例することも理解して対応する必要があり、この点を踏まえた処置をしたうえで住民(避難者)主体の避難所運営にシフトすることが重要です。災害時には応急救助のフェーズが過ぎると生活支援が焦点となり、自治体としてはより避難者に寄り添った支援を行い「食」の充実が行政に対する評価にもつながると思います。
長期化する避難所生活の栄養管理について、どのような課題がありますか? [質問者:民間企業]
仙台市
東日本大震災では、食料の支援物資はほとんどがおにぎり・パン・カップ麺・菓子等の炭水化物が中心であり栄養面での課題がありました。そのため、各区の栄養士が支援物資の内容や炊き出しの実施状況を把握し、献立や食材の発注、管理等について支援しました。

その後、弁当の提供に切り替えましたが、高齢者や持病のある方の健康への配慮と、食中毒予防のための衛生管理の課題がありました。そのため、発注にあたっては、価格面のみならず、栄養や衛生管理の観点も加えて総合的に決定することとしました。

具体的には、栄養について各区の栄養士が予め栄養計算に基づいた献立の提示が可能であり、衛生管理について本市の衛生管理制度の評価施設かつ配送が短時間で済む地域の業者を選定しました。そのうえで、弁当製造工場へは保健所の食品衛生監視員を定期的に派遣し、監視や食品検査を実施しました。

一方、温かい食事の提供については、避難所には再調理できる設備(電子レンジのための電源容量を含む)の設置が困難であることから、課題となっています。
塩竈市
備蓄している食料が、アルファ米中心となっています。
長期化した場合、支援品や弁当等を購入し配付することになるが、バランスの良い食事を提供できるか不透明であると考えています。
そのため、長期化した場合を想定し、どのような食事が提供できるか検討していくことが必要と思います。
利府町
長期化する避難所生活では「食」の充実は重要であると思います。難しい問題ですが、
例えば企業の協力を得て避難者の症状を聞き取り、サプリメントを提供するなど、避難者の声の傾聴にもなり、ストレス発散につながるのではないかと思います。
企業側の発意で無償提供することにより、CSRや広報の一助にもなるのではないでしょうか?
神戸市
避難生活が長期化する場合は、被災者へは、炊き出しの他、調理済み食品やパン、弁当等を購入し、支給することを想定しており、それらの食事を通じて、栄養量のみでなく、質の確保についても配慮していきたいと考えています。また、食事に特別な配慮が必要な被災者(妊産婦や乳幼児、食物アレルギー、障がい者等)を優先に、必要に応じて救援物資の調達についても想定しています。
しかし、大規模災害時、毎日数万人分の食事を準備する事業者に対して、栄養の質の確保等、どこまで依頼できるのか、食事に配慮が必要な方へ個別対応した物資がタイムリーに調達できるのか、また、これらの対応や調整を担う管理栄養士等の専門職が確保できるかについてが、課題であると考えています。
避難所のカギの管理はどこで行われているのでしょうか? [質問者:民間企業]
仙台市
施設管理者のほか、市職員、また、避難所によっては地域の方等にもお願いしている例もございます。
塩竈市
避難所配備職員が管理しています。また小中学校であれば、学校にも配備しています。
利府町
町の公共施設は指定管理者または町の職員。学校については、学校の教職員等です。
過去、学校の防災主任等との会議でカギを開けることが遅くなると話題になった際、近くのコンビニや商店、個人宅に預けている事例を説明させていただきましたが、学校は課題であると感じているものの、解決に向けたさらなる検討が必要であると認識しております。
※町では予備鍵を保有しており緊急時には開放可能ですが、管理者である学校が開放することが原則であると考えます。
神戸市
各区役所が施設管理者から鍵を預かっています。また、一部の地域では、迅速な避難所の開設のため、地域団体に鍵渡しを進めています。
避難所運営に関してシステムを導入されていますでしょうか?導入されているとしたら何を管理されていますか? [質問者:民間企業]
仙台市
費用や設備、平時の利活用、避難所となる学校の安全安心や個人情報保護等の課題があり、避難所へのシステムや端末の導入には至っておりません。
塩竈市
現在、システムは導入しておりません。
利府町
避難所運営ではシステム導入は考えておりません。当日説明させていただいた通り、災害時には電源確保の不安やシステムの安定性などのリスクが考えられます。また、いつ使うか分からないシステムの使用に精通することや、費用対効果の観点からも導入は難しく、現状の紙媒体による記録や、無線機等による最小限の装備による訓練を充実させたほうがクライシスマネジメントにおいては有効であると考えます。

(※利府町様からは"企業の皆様にはこれを打破する提案から商機を見出していただければとの思いもございます"というコメントも頂いております)
神戸市
区役所から市役所への避難者数の報告は、総合防災情報システム(「神戸市危機管理システム」)を通じて行っています。各避難所においてはシステムをまだ導入していません。
避難所運営において、官民連携の事例(or予定)があれば知りたいです。 [質問者:学術機関]
仙台市
避難所運営は市役所職員、施設管理者、地域の町内会長等から構成する避難所運営委員会で行うこととしております。
塩竈市
現在、予定している官民連携の事例等はありません。ただし、指定避難所は町内会など避難された方が中心となって運営していくこととしております。
利府町
リアルな避難所運営で官民連携の事例はありませんが、訓練でできないことは本番でもできないので、まずは防災協定を締結している企業に防災訓練へ参加してもらい連携したいと考えています。
神戸市
民間企業との連携事例を紹介します。
連携先:株式会社バカン
連携内容:上記企業と協定を締結。災害時、市民や来訪者が、避難場所の密を避けるため、スマートフォン等からリアルタイムで、
避難場所の開設状況や混雑状況(Closed(平常時)→開設可能→空いています→やや混雑→混雑の5つの区分を使用)を確認できるようにしています。
避難所の運営費用は? [質問者:民間企業]
仙台市
原則として市が負担しますが、災害救助法が適用された場合は県の補助や国庫負担があります。金額や内容は、災害の種類や規模、季節、避難者数、対応する職員数、時間帯、期間等によって大きく異なります。
塩竈市
市が負担します。
利府町
基本的には市町村負担ですが、災害救助法に基づく指定を受けると県の補助や国庫負担により市町村の費用負担はなくなります。
神戸市
神戸市が調達する食料や物資の費用は原則として市が負担します。
避難所運営の各課題について優先度やスピード感を聞きたいです。来年度予算で解決したいのか、長期的な課題と捉えているのか等 [質問者:民間企業]
仙台市
来年度予算で解決できるものではなく、中長期的に取り組まざるをえない課題と捉えております。解決のための新しい手法や技術については、実証実験や試験導入等の段階を経ながら、地域住民や施設管理者、議会等の理解を得る必要があります。
塩竈市
避難所の状況等を確認するためネットワークカメラを導入するか検討しています。
ただし、プライバシーの確保などが課題と考えています。
利府町
利府町では説明させていただいたとおり、課題とは感じているものの「理想」は導き出せておりません。
災害も少なく、実際に避難する場面もあまりない小さな町ですので、スピード感はなく、長期的な課題と捉えております。
神戸市
神戸市が説明しました、地域への鍵渡しの取り組み、ペット同行避難、男女共同参画の視点を取り入れた避難所運営などの課題は、災害がいつ起こるか分からない点からもできるだけ早く解決したいと考えています。しかし、予算があれば解決する性質の課題ではなく、住民や職員、施設管理者の意識醸成が必要なため、中・長期的な課題にならざるを得ないと感じています。