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事例・インタビュー
BOSAI-TECH発の試作事例

航空写真を用いた太陽光発電施設の状況把握と災害発生リスク抽出

2026.03.06
  • ESRIジャパン株式会社
  • AI、機械学習
  • 3D技術、地図・空間情報
  • データ解析
  • 実証実験/試作開発支援プログラム
1.解決を目指す課題と解決方法
【課題】
● 庁内GISを使用した航空写真での太陽光発電施設の位置確認と、災害発生リスク評価の目視確認に時間がかかっている。
● 施設のGISデータの情報が少なく、Excel形式の台帳での管理が中心となっているため、データが欠如・散在している。
● 施設のリスク評価方法・基準にバラつきがある。

【解決方法】
● ArcGISとGeoAI(地理空間人工知能)を用いて航空写真から施設を自動検出し、施設データを作成する。
● ジオプロセシングモデルにより、リスク評価用データ(土砂災害警戒区域など)との位置関係から、一定の評価方法・基準で各施設のリスク評価を実施する。
● 航空写真、リスク評価用データ、施設データ等をクラウド上のWebアプリ(ArcGIS Online)に集約し、検索・閲覧できる環境を構築する。
2.実施内容
【試作開発】
● 検出(GeoAIモデル)
 ー仙台市の航空写真を使用して、既存の事前学習済みモデルから「仙台市の施設を検出するGeoAIモデル」として追加学習を行い、施設データを自動作成。
● 評価(ジオプロセシングモデル)
 ーリスク評価用データと施設データの位置関係をもとに、一定の基準(特別警戒区域は+10点など)で各施設のリスクを4段階で自動評価するモデルを作成・実行。
● 集約(Webアプリ)
 ーブラウザ上で航空写真をベースに、各施設データの位置やリスク評価結果、台帳のGISデータ等を重ねて検索・閲覧できるWebアプリを構築。

【実証実験】
● 庁内GISと開発したWebアプリで、施設の検索・特定からリスク評価にかかる作業時間を比較・計測する検証を実施。
3.実施結果
● GeoAIによる追加学習モデルを用いたことで、仙台市全域の航空写真から約69,000個の施設データ(誤検出含む)を一括抽出し、施設の網羅的な把握が可能となった。
● リスク評価モデルにより、評価方法や基準が明確化され、誰でも再現性のあるリスク評価が可能になるとともに、結果がWebアプリ上で色分け可視化された。
● 庁内GISではリスク評価できなかった施設の評価がWebアプリで可能になり、施設の検索・特定からリスク評価を行うまでの作業時間を平均約44%(最大約66%)削減することに成功した。
4.今後の展開
【社会実装/事業化に向けた今後の取り組み】
● 実証実験の成果をそのまま運用可能
 -今回作成したWebアプリをそのまま継続利用可能とし、新たな航空写真が追加された場合でも、構築したモデルで施設検出とリスク評価を行える運用とする。
● 仙台市モデルの精度向上と現地調査への活用
 -航空写真の画質(可逆圧縮形式の利用)や撮影時期(影が短い時期の利用)を見直すことで施設の検出精度を向上させる。
 -施設や土砂災害区域等のGISデータが表示されたマップを、ArcGISの現地調査アプリ(モバイル端末)へ連携・活用する。
● 今回の取り組みを他自治体へ展開
 -仙台市と同様に、施設の状況把握やリスク管理の課題を抱えている他自治体に対して、今回行った取り組みを横展開する。

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