レポート

[仙台BOSAI-TECH Future Awards] エントリー説明会開催レポート

2021-09-24
9月16日、2021年度の「仙台BOSAI-TECH Future Awards」のエントリー説明会がオンラインで開かれた。説明会には40人以上が参加し、仙台市の担当者や前年度の参加者からプログラムについて詳細な説明があった。
はじめに、仙台市経済局産業振興課からのメッセージが伝えられた。東日本大震災で大きな被害を受けた仙台市では震災後、沿岸部のかさ上げ道路の整備からメモリアル施設の整備に至るまで、ハード・ソフト両面で防災の取り組みを進めてきた。それだけでなく、防災リスクを軽減するテクノロジーを産業として発展させていこうとするのが、「仙台市BOSAI-TECHイノベーション創出促進事業」だ。

担当者は「防災・テクノロジー・ビジネスを融合した新たな解決策を仙台から全国、世界へと展開していく」と説明。2022年1月ごろをめどに防災に関する技術や知見を持つ企業・専門家が参加するプラットフォームを立ち上げ、参加者同士の交流や実証実験を蓄積しながらさまざまな防災ソリューションを事業化していく構想を語った。
続いて、事務局のスカイライトコンサルティングからプログラム概要の説明があった。今年度の「仙台BOSAI-TECH Future Awards」は、防災関連の課題解決を目的とする事業開発を支援し、実証実験を支援するプログラム。個人と企業がエントリーでき、応募期限は9月30日だ。

一次採択者は10月中旬からヒアリングやワークショップなどを通じて実証実験の計画を具体化させていき、11月末に計画案の最終審査が行われる。最終審査で採択された場合、12月から3月の間に仙台市とともに実証実験を行う。採択者は、実証実験費用の補助を受けることなどができる。
今回のプログラムでは、参加者は仙台市が抱える防災に関する「4つの課題」のいずれかを解決できるような事業を提案することが求められる。仙台市危機管理局防災計画課からは、今回募集するテーマについて説明があった。

①データ活用による避難情報発令判断の迅速化、②テクノロジーを活用した効果的な災害情報の伝達、③テクノロジーを活用した効率的な避難所運営の支援、④テクノロジーを活用した安全な避難行動の支援、という4つのテーマそれぞれについて仙台市の現状の課題を説明した上で、担当者は「解決のためのテクノロジーをお待ちしている」と期待を込めた。
最後に、昨年度のプログラムに参加した2社の企業が自らの経験や成果を発表した。

IQGEO Japanの山口達也さんは、東北電力の「災害時に電力設備に安全にたどり着くための河川や道路状況の把握」という課題に対し、自社の地図プラットフォームサービスを応用した解決策を提案。地図上に雨量情報や過去の被災情報などのさまざまなオープンデータを重ね合わせて災害リスクを可視化し、災害復旧時の安全なルートをシミュレーションした。
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山口さんは「大学で大学生と一緒に講義を受けたり被災した声を実際に聴いたりして、防災に関する体系的な知識が学べた。定期的なメンタリングでビジネスプランを練ることができたし、他の参加者から知らなかった知見やスキルを得ることもできた。解決のためのかなり具体的なプロトタイプを作ることもできたので、技術的な検証や事業化への課題を浮き彫りにできたのが大きな成果」と、プログラムに参加した意義を語った。

プライムバリュー代表の吉田亮之さんは、コープ東北の災害時の支援物資供給における課題に取り組んだ。電話と手作業だった物資の受発注作業を効率化するため、現在も災害時の受発注プラットフォームの開発を進めている。今期のプログラムにもメンバー企業として参加し、引き続き仙台市やコープ東北と実証実験を続ける計画だ。
(関連記事:https://sendai-bosai-tech.jp/report/detail/---id-16.html
吉田さんは「災害や防災分野はまだまだ改善の余地があるし、自治体の環境は改善できる箇所が枚挙に暇がないと思っている。弊社のソリューションを用いて、継続して災害分野の手助けをしていきたいと考えているので、ぜひ今回もいろんな意見を交換できれば」と話した。

チャット上で質疑応答が行われた後、説明会は終了。事務局は「ご不明な点があれば、『Future Awards』のサイト上の問い合わせフォームからいただければ、回答させていただくのでご活用下さい。皆さんのご応募をお待ちしています」と締めくくった。

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