事例|実証実験
VR津波避難シミュレーターの試作開発と試験展示 ~あなたの避難体験が安全な街づくりのヒントに~【Tsunami Balloon】
2024.03.19
実証実験/試作開発支援プログラム において、
Tsunami Balloon が、VR津波避難シミュレーターを津波リスクのコミュニケーションツールとして用いることで、防災の設計者と当事者が一体となって安全な街づくりを目指し、検証を行いました。
Tsunami Balloon が、VR津波避難シミュレーターを津波リスクのコミュニケーションツールとして用いることで、防災の設計者と当事者が一体となって安全な街づくりを目指し、検証を行いました。
1.背景と課題
■津波避難の設計側(行政・研究等)の課題
1)避難誘導方法の検証には時間・場所・人員の面で制約が大きい.
2)過去の災害における避難行動の分析では,その対象が常に成功事例(生存者)に偏る.
【解決方法】
津波避難を体験できるVRコンテンツによって検証に要する時間・場所・人員を大幅にカットし,仮
想空間での避難行動のログに基づいて成功・失敗を問わず遍く避難を分析する.
■津波被災リスクを持つ側(市民等)の課題
1)被災経験のない未災者が自発的に災害を
学ぶためのインセンティブ創出が難しい.
2)過去の災害における避難行動の分析では,その対象が常に成功事例(生存者)に偏る.
【解決方法】
津波避難を体験できるVRコンテンツによって検証に要する時間・場所・人員を大幅にカットし,仮
想空間での避難行動のログに基づいて成功・失敗を問わず遍く避難を分析する.
1)避難誘導方法の検証には時間・場所・人員の面で制約が大きい.
2)過去の災害における避難行動の分析では,その対象が常に成功事例(生存者)に偏る.
【解決方法】
津波避難を体験できるVRコンテンツによって検証に要する時間・場所・人員を大幅にカットし,仮
想空間での避難行動のログに基づいて成功・失敗を問わず遍く避難を分析する.
■津波被災リスクを持つ側(市民等)の課題
1)被災経験のない未災者が自発的に災害を
学ぶためのインセンティブ創出が難しい.
2)過去の災害における避難行動の分析では,その対象が常に成功事例(生存者)に偏る.
【解決方法】
津波避難を体験できるVRコンテンツによって検証に要する時間・場所・人員を大幅にカットし,仮
想空間での避難行動のログに基づいて成功・失敗を問わず遍く避難を分析する.
2.実証実験の実施内容
■VR津波避難シミュレーターの試作開発
実際には実装されていない津波避難誘導ツールを沿岸部の街に設置して津波避難を体験できる仮想空間を構築する.
■VR津波避難シミュレーターの試験展示
試作開発した津波避難シミュレーターを以下の場所で試験的に展示し,VR避難を体験してもらう.
・多賀城中学校(対象者:120名程度)
・仙台市役所(対象者:27名)
・多賀城市役所(対象者:18名)
■避難行動データ収集・アンケート調査
仮説A:仮想空間に蓄積した避難行動データから避難誘導改善の知見を得られるのか?
検証A:仮想空間に再現した多賀城市で避難誘導ツールが避難行動に及ぼす影響を調べる.
仮説B:VR体験は災害学習以外の動機で津波災害を学ぶきっかけをもたらすのではないか?
検証B:体験動機や学びの内容,学びに繋がった体験についてアンケート調査を実施する.
実際には実装されていない津波避難誘導ツールを沿岸部の街に設置して津波避難を体験できる仮想空間を構築する.
■VR津波避難シミュレーターの試験展示
試作開発した津波避難シミュレーターを以下の場所で試験的に展示し,VR避難を体験してもらう.
・多賀城中学校(対象者:120名程度)
・仙台市役所(対象者:27名)
・多賀城市役所(対象者:18名)
■避難行動データ収集・アンケート調査
仮説A:仮想空間に蓄積した避難行動データから避難誘導改善の知見を得られるのか?
検証A:仮想空間に再現した多賀城市で避難誘導ツールが避難行動に及ぼす影響を調べる.
仮説B:VR体験は災害学習以外の動機で津波災害を学ぶきっかけをもたらすのではないか?
検証B:体験動機や学びの内容,学びに繋がった体験についてアンケート調査を実施する.
3.実証実験結果
■検証A
全体的な傾向として,アドバルーン→旗→一般的な標識の順番で津波避難ビルが認識されやすい(避難中により多くの選択肢を持った状態で避難できるため,避難者の潜在的安全性が向上している)ことが分かった.ただし,この傾向の大小は津波避難ビルによって異なる.
■検証B
VR津波避難シミュレーターは,災害学習よりもVR体験自体の方が強い体験動機になり,災害学習の機会が災害学習以外の魅力によって普及・継承されることが期待できる.同一コンテンツ内に4つの体験を取り入れた結果,体験者が「新鮮みがある」と評価した体験と,「学びに繋がる」と評価した体験は一致せず,様々な体験内容を組み合わせることによって魅力的な楽しい学びを実現できることがわかった.
本シミュレーターによって避難誘導の改善と災害学習機会の提供を両立できることが期待される.
全体的な傾向として,アドバルーン→旗→一般的な標識の順番で津波避難ビルが認識されやすい(避難中により多くの選択肢を持った状態で避難できるため,避難者の潜在的安全性が向上している)ことが分かった.ただし,この傾向の大小は津波避難ビルによって異なる.
■検証B
VR津波避難シミュレーターは,災害学習よりもVR体験自体の方が強い体験動機になり,災害学習の機会が災害学習以外の魅力によって普及・継承されることが期待できる.同一コンテンツ内に4つの体験を取り入れた結果,体験者が「新鮮みがある」と評価した体験と,「学びに繋がる」と評価した体験は一致せず,様々な体験内容を組み合わせることによって魅力的な楽しい学びを実現できることがわかった.
本シミュレーターによって避難誘導の改善と災害学習機会の提供を両立できることが期待される.
4.今後の展開
本プログラムで試作開発・試験展示したVR津波避難シミュレーターを用いて,「自治体向け」と「市民向け」のサービスを今後提供する予定.
自治体向けのサービス形態
①自治体が要望・提案する津波避難誘導手法を仮想空間に構築してその効果を検証する.
②十分な効果を確認できた津波避難誘導ツールを開発・提供する.
市民向けのサービス形態
①学校や災害学習関連施設等をターゲットとして VR津波避難シミュレーターを提供する.
②VRを楽しみたい体験希望者個人をターゲットとしてVR津波避難シミュレーターを提供する.
エンタメ要素(楽しい,面白い要素)を付加価値としてVR津波避難シミュレーターをすることで防災への需要を単なる社会的コストとしない形態でサービス提供を目指す.
自治体向けのサービス形態
①自治体が要望・提案する津波避難誘導手法を仮想空間に構築してその効果を検証する.
②十分な効果を確認できた津波避難誘導ツールを開発・提供する.
市民向けのサービス形態
①学校や災害学習関連施設等をターゲットとして VR津波避難シミュレーターを提供する.
②VRを楽しみたい体験希望者個人をターゲットとしてVR津波避難シミュレーターを提供する.
エンタメ要素(楽しい,面白い要素)を付加価値としてVR津波避難シミュレーターをすることで防災への需要を単なる社会的コストとしない形態でサービス提供を目指す.
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