事例|試作開発
バルーン型避難標識の自動掲揚装置のプロトタイプ開発
2025.03.25
実証実験/試作開発支援プログラム において、
Tsunami Balloonが、津波の避難場所の周知を課題とする沿岸地域向けのソリューションとして、避難者に避難場所を掲示できる「バルーン型避難標識」の試作開発を実施しました。
Tsunami Balloonが、津波の避難場所の周知を課題とする沿岸地域向けのソリューションとして、避難者に避難場所を掲示できる「バルーン型避難標識」の試作開発を実施しました。
1.背景と課題
【課題】
● 切迫性の高い津波災害において避難の遅れが津波曝露リスクにもたらす影響は大きい。
● 特に、南海トラフ地震で発生が予想される津波は極端に到達時間が短く、20~30分程度で津波が到達した東日本大震災と比較しても避難の遅れを防ぐ重要性が高いと考えられる。
【解決方法】
● 津波の避難場所の周知を課題とする沿岸地域向けのソリューションとして、バルーン型避難標識(従来のアドバルーン)により避難者に避難場所を掲示できる仕組みを提案。
● バルーン型避難標識の実現に向けて起動から回収までのプロセスを完全な自動化を目指す。
● 切迫性の高い津波災害において避難の遅れが津波曝露リスクにもたらす影響は大きい。
● 特に、南海トラフ地震で発生が予想される津波は極端に到達時間が短く、20~30分程度で津波が到達した東日本大震災と比較しても避難の遅れを防ぐ重要性が高いと考えられる。
【解決方法】
● 津波の避難場所の周知を課題とする沿岸地域向けのソリューションとして、バルーン型避難標識(従来のアドバルーン)により避難者に避難場所を掲示できる仕組みを提案。
● バルーン型避難標識の実現に向けて起動から回収までのプロセスを完全な自動化を目指す。
2.実施内容
【試作開発】
● バルーン型避難標識の掲揚を自動化するために必要な機能のうち、下記4項目を対象として試作開発を実施した。
-充填の自動化
-放球の自動化
-上昇の自動化
-下降の自動化
【実証実験】
● 試作品に関して、下記の日時・場所で掲揚試験を実施し、試作開発物の動作確認と所要時間の計測を通して、各自動化項目の開発とバルーン製作における改善点の抽出・運用手法の検討を行った。
-日時:2025年1月22日(水)
-場所:東北大学災害科学国際研究所(中庭)
● バルーン型避難標識の掲揚を自動化するために必要な機能のうち、下記4項目を対象として試作開発を実施した。
-充填の自動化
-放球の自動化
-上昇の自動化
-下降の自動化
【実証実験】
● 試作品に関して、下記の日時・場所で掲揚試験を実施し、試作開発物の動作確認と所要時間の計測を通して、各自動化項目の開発とバルーン製作における改善点の抽出・運用手法の検討を行った。
-日時:2025年1月22日(水)
-場所:東北大学災害科学国際研究所(中庭)
3.実施結果
【結果】
● バルーン型避難標識の掲揚自動化装置には設計上の課題が残るものの(成果報告書p.13以降に詳細を記載)、起動から掲揚完了までの合計時間は3分程度まで短縮できることが見込めると結論づけた。
● 基本的には掲揚完了までの3分間を許容して津波警報発表後に起動する方法での運用を前提とし、極端に短い時間での津波到達に備える地域では空振りを許容して事前起動する方法での運用が望ましいと考えられる。
● その他、東日本大震災の救助活動経験者へのヒアリングを通して、破壊措置の必要性や避難場所の識別への利活用など、具体的な運用に係る重要な知見を得た。
● バルーン型避難標識の掲揚自動化装置には設計上の課題が残るものの(成果報告書p.13以降に詳細を記載)、起動から掲揚完了までの合計時間は3分程度まで短縮できることが見込めると結論づけた。
● 基本的には掲揚完了までの3分間を許容して津波警報発表後に起動する方法での運用を前提とし、極端に短い時間での津波到達に備える地域では空振りを許容して事前起動する方法での運用が望ましいと考えられる。
● その他、東日本大震災の救助活動経験者へのヒアリングを通して、破壊措置の必要性や避難場所の識別への利活用など、具体的な運用に係る重要な知見を得た。
4.今後の展開
● バルーン型避難標識の実用化(掲揚自動化)に向けて、今後はTsunami Balloon が現時点で果たせる以下の役割に特化して事業を進める方針とする。
-バルーン型避難標識が効果的に機能するための設計の最適化やその手法の確立
-バルーン型避難標識の掲揚自動化に必要な機能を可能にする仕組みの考案・試作
-試作物の動作テストを通じた改善点の抽出や運用手法の決定
● 一方で、動作の強度・精密性・確実性を左右する開発は、現時点でTsunami Balloonが十分に果たしづらい役割である。この点においては,可能な限り既存の製造技術・開発技術を利活用・応用する形での実用化を目指す。したがって、今後は機器の開発・製造を専門とする産業分野との連携の模索にも注力する。
-バルーン型避難標識が効果的に機能するための設計の最適化やその手法の確立
-バルーン型避難標識の掲揚自動化に必要な機能を可能にする仕組みの考案・試作
-試作物の動作テストを通じた改善点の抽出や運用手法の決定
● 一方で、動作の強度・精密性・確実性を左右する開発は、現時点でTsunami Balloonが十分に果たしづらい役割である。この点においては,可能な限り既存の製造技術・開発技術を利活用・応用する形での実用化を目指す。したがって、今後は機器の開発・製造を専門とする産業分野との連携の模索にも注力する。
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関係会員
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Tsunami Balloon
Japan