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BOSAI-TECH発の試作事例

新たな同報系情報提供システムの試作開発

2025.03.07
  • 株式会社アトラクター
  • 株式会社構造計画研究所
  • 株式会社仙台放送
  • のどかサポート合同会社
  • メッセージング、通信
  • 実証実験/試作開発支援プログラム
実証実験/試作開発支援プログラム において、
のどかサポート合同会社※が、大規模災害時の携帯通信網に依存しないスマホ等への情報配信のため、IPDC/ナローキャストとスマホ同士の無線通信リレーを組み合わせた情報提供システムの試作開発を実施しました。
※共同提案者:株式会社仙台放送、株式会社構造計画研究所、株式会社アトラクター
1.背景と課題
【課題】
● 大規模災害時、携帯電話基地局の被災により通信が困難となり、避難行動に支障が生じる可能性がある。携帯電話各社は復旧を急いでいるが、即時的な復旧は難しく、被災者はテレビ、ラジオ、SNS等を利用して情報を収集するが、SNSでは偽・誤情報が拡散する課題も浮き彫りになった。
● 災害時、地方自治体は以下の2点を満たす通信手段の確保が重要である。
 -災害発生直後においても、地域の被災者へ情報発信できる仕組み。
 -自治体発出の正しい情報を地域の被災者へ発信できる仕組み。

【解決方法】
● IPDC/ナローキャストとスマホ同士の無線通信リレーを組み合わせた情報提供システムの構築。
 -自治体情報をテレビ電波で専用受信機に伝送、受信機付近のスマホが同じ情報を受信、スマホ同士の直接通信でリレーしながら被災者へ情報を伝達する仕組み。
2.実証実験の実施内容
【試作開発】
● 下記システムの開発を実施。
 -IPDC放送システムの開発及びオフライン放送の環境準備
 -放送受信セットトップボックスのシステム開発
 -放送受信セットトップボックスからのスマートフォン端末への配信プログラムの開発
 -スマートフォン伝搬/表示アプリの開発

【実証実験】
試作品に関して、下記の日時・場所で動作検証を実施。
● 日時:2025年1月18日(木)
● 場所:仙台放送 会議室(宮城県仙台市青葉区上杉5丁目8-33)
3.実証実験結果
【結果】
下記の検証を行い、想定通りの動作を確認したため、試作開発は成功と判断。
● ナローキャスト(IPDC)に関する検証
 ①情報管理・発信:テレビ局が発信する災害時情報をIPDC放送システムへ入力
 ②オフライン放送:擬似的な放送波を作成しIPDC放送(検証では同軸ケーブルにて伝送)
 ③放送受信/情報配信:セットトップボックスで情報受信
● スマホdeリレー(端末間通信)に関する検証
 ①スマートフォン伝搬:スマホアプリで端末間情報伝達
4.今後の展開
【社会実装/事業化に向けたロードマップ】
● Step1:携帯通信網に依存しないスマホ等への情報配信基本機能を実装しサービス開始
     -自治体からの防災情報を避難所等の住民にまで伝えるソリューションの構築を図る。
     -携帯電話が不通となった避難所の隅々まで情報伝達できる仕組みを構築する。
● Step2:ニーズを反映して基本機能に加えたオプション機能の開発/提供
     ーオプション機能の検討・サービス提供を行い、自治体ごとの状況にあわせた機能提供目指す。
     -自治体公式アプリとの連携など、自治体からの公共情報を扱うなど災害時以外の利用も促進する。
● Step3:地域活性化に向けたDXSolution化  
     ー民間企業の情報発信によるビジネス化を図り、IPDCを活用した情報発信ビジネスの仙台モデルを構築。
     -自治体DXソリューションの代表例となるよう、全国の自治体への水平展開を図る。

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