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事例・インタビュー
BOSAI-TECH発の試作事例

ガウシアンスプラッティング法を応用した防災デジタルツイン実証

2026.03.05
  • 株式会社XMAT
  • AR、VR、MR
  • 画像・動画技術
  • 3D技術、地図・空間情報
  • 実証実験/試作開発支援プログラム
1.解決を目指す課題と解決方法
【課題】
● 災害時や設備トラブル発生時には、現場の状況を迅速に把握できず、関係者間で「どこが、どの程度、どうなっているか」の認識が揃わないことが、復旧判断の遅延要因となっている。
● 特に工場設備は配管・ケーブル・機器が密集しており、写真や図面だけでは位置関係や作業導線の理解に限界がある。
● 復旧対応にはメーカー・協力会社など複数主体が関与するため、情報伝達のズレが再調査や手戻りを生みやすい。

【解決方法】
● 設備室を3D可視化して”現況をそのまま共有できる情報基盤”を構築する。
● 遠隔からでも同一空間を見ながら議論できる状態を作ることで、初動対応の迅速化と合意形成の確度向上を目指す。
● 平時に整備した現況データを有事の比較基準として活用し、被害箇所の切り分けや優先順位付けを支援することで、復旧計画の立案を効率化する。
2.実施内容
【試作開発】
● 仙台市松森工場(コンプレッサ室)を対象に、360°カメラで室内を動画撮影し、空間生成に必要な撮影素材を取得。
● 取得した動画から時間・方向ごとの静止画を切り出して多視点画像群を作成し、ガウシアンスプラッティング法により空間データを生成。
● 生成した空間は、試作ビューワーで閲覧できる状態に整備し、設備配置や通路を俯瞰で把握しやすいオルソビュー機能を中心に動作確認と画面構成の調整を実施。
● 遠隔での閲覧・説明を想定し、関係者が同一の空間を参照しながら議論できるよう閲覧導線を整備。

【実証実験】
松森工場・XMAT・BOSAI-TECH事務局の関係者によるレビュー会議を実施し、現場の位置関係の理解度、操作性、活用シーン(平時の点検・工事検討/有事の状況共有)などを確認しながら意見交換を実施。
● 日時:2026年1月23日(金)
● 場所: 松森工場 会議室(宮城県仙台市泉区松森字城前135)
3.実施結果
● コンプレッサ室の3D可視化により、図面に反映されにくい配管・ケーブル・機器周辺の現況確認が容易になり、関係者の理解を揃えた上で議論できることが確認された。
● 特に、視線高さの撮影が中心であっても、天井付近のケーブルラックや高所配管、設備裏側の取り回しなど、撮影視点に直接入っていない箇所まで想定以上に把握できる点が評価された。
● 遠隔の技術者とも同一空間を見ながら協議できるため、移動・調整コストの削減や意思決定の迅速化が期待される。
● 一方で、用途に応じた撮影計画(全体把握と細部確認の切り分け)や撮影手順の標準化、需要集中を想定した実施体制の整備が課題として整理された。
4.今後の展開
【社会実装/事業化に向けた今後の取り組み】
● 運用ガイドの整備と成果物仕様としての位置付け
 -撮影から生成、共有までの運用ガイド(品質確保・映り込み対策・撮影条件の目安提示)の整備と、発注・納品フローへの組込みを進める。
● 災害時の需要増に備えた体制整備
 -標準手順の策定による複数現場への対応や、生成能力・支援体制の確保を検討する。
● 操作性の向上と他施設への横展開
 -オルソビューの操作性向上や閲覧導線の改善など、現場で「説明しなくても使える」レベルへの磨き込みを行い、工場設備に限らず他施設へも横展開することで、継続的な事業化につなげる。

関係会員

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