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事例|実証実験

音声のデジタル加工で既存屋外スピーカーの価値を高める

2022.03.10
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BOSAI-TECH事業創出プログラム 仙台BOSAI-TECH Future Awards 2021において、
サウンド株式会社が、音声デジタル加工技術を用いて、既存の防災無線装置による音声情報の伝達を高められるか検証を行いました。
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1.背景と課題
サウンド社は、テクノロジーを活用した効果的な災害情報の伝達を高めるための手段として、自社で保有する音声デジタル加工技術を用いた解決を目指す。
仙台市に限らず、災害情報はスマホなどによるICTを活用した伝達と、屋外拡声放送などの2種類で情報を伝達している。
今回は、後者の屋外拡声装置の音声を、高性能装置を用いずに、既存装置にて音声伝達を高める目的で、音声デジタル加工技術を使い、新規投資を行うことなく、情報の伝達を高めることを目指した。
2.実証実験の実施内容
最終的に、屋外拡声装置での実証効果を確認するために、3つの実証実験にブレイクダウンして、検証を行った。

第一に、予備実験である。
予備実験では、現場にて大凡の最適なパラメータを抽出すること、入力と出力の関係を確認することを目的に行った。

第二に、戸別受信装置での実証実験である。
仙台市職員の30人の協力で、音声2種類、順番2種類の計4種類の聞き取り比較実験を質問紙を用いて行った。

最後に、屋外拡声装置での実証実験である。
同じく仙台市職員の14人の協力で、装置2地点、距離(音達範囲内・外)2地点で聞き取り比較実験を質問紙を用いて行った
3.実証実験結果
3つにブレイクダウンした実証実験は、予備実験、戸別受信装置実証実験については評価内容と判断基準に対して、問題ないことを確認した。
屋外拡声装置実証実験については、音達範囲内では効果が確認できた。音達範囲外では効果が確認できなかった。
実証実験後の音声解析の結果から、風によるノイズの影響によるものと考えられる。
必要に応じて再検証などを行う必要がある。
4.今後の展開
全実証実験後の自己評価は、音声デジタル加工は、音声情報の伝達を高めることができるものと考える。
今後は、必要に応じた再検証、音声デジタル加工技術条件の最適化、インジケータを考慮した上限設定の検討により、既存の屋外拡声装置の価値を高めていくことで、雨や風などのノイズに強い災害情報の伝達条件を追求すること、及び情報伝達の向上による副作用が顕在しないことのトレードオフの打破を目指し、継続した取り組みを希望する。

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