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事例|実証実験

小型無線システムの画像監視による防災ソリューションの実証(ため池監視)

2022.03.15
  • NECプラットフォームズ株式会社
  • IoT 、センサー
  • 実証実験/試作開発支援プログラム
実証実験サポートプログラム2021年度第2期において、
NECプラットフォームズ株式会社が、ため池の監視対策上の通信・電源確保の課題解決を目指し、小型無線システムと屋外可搬型バッテリを用いて実証実験を行いました。
成果報告書はこちら
1.背景と課題
1-1.ため池の現状
ため池は、日本全国に約16万箇所ある。
その多くが戦前に造られ、老朽化しており災害が発生する危険性がある。
また、近年頻発している豪雨災害により、ため池が決壊し、農業施設や地域住宅への被害が増加している。このため、各自治体では、ため池の監視対策が急務になっており、遠隔から監視を行い状況を速やかに把握し、早期の避難誘導や人的被害を防止する体制の構築を進めている。

1-2.対応状況
仙台市様では、監視システムとして、ソーラー発電によるLTEカメラの導入を行っているが、LTE圏外の場所、森林に囲まれ日照確保が困難な場所にある ため池では使用できない。このような ため池への監視方法が課題となっている。
2.実証実験の実施内容
NECプラットフォームズでは、ソーラー発電+内蔵電池で駆動できる小型無線システムと屋外可搬型バッテリの開発を行っている。低消費電力で長距離かつ広範囲をカバーできるLPWA無線を使用しており、免許不要で利用できる。軽量小型のため簡単に設置できる施工しやすい機器で構成しており、独立電源により電源工事不要で設置可能のため少ないコストで導入できる。
このシステムを使用して、日照不足が懸念される仙台市大堤ため池にて、天候に影響を受けずに遠隔監視・撮影が可能かどうか実証実験を行った。
3.実証実験結果
3-1.機器の設置
カメラは、日照が取れない場所のため、屋外可搬型バッテリから給電し、カメラを制御する無線機は、日照が取れる場所のためソーラーパネルから給電して実証実験を行った。監視制御は、屋内に設置したゲートウェイから遠隔にて自動撮影で行った。

3-2.実験結果
実験は、冬季期間で終日氷点下の日もある厳しい環境下であったが、期待の監視周期である1枚/日の撮影が成功できた。
撮影データは、大堤ため池の持ち主である仙台市様に確認頂き、『期待した画角で撮影が出来ている』『画質も問題無く監視できる』と、監視システムとして活用できる旨、回答頂くことが確認できた。
4.今後の展開
4-1.小型無線システム
今後も他自治体様で引き続き、ため池監視の実証実験を行い、静止画のカメラ撮影に加えて水位計や夜間対応の暗視カメラ等のニーズを確認して、更に課題を解決できるソリューションに仕上げる予定である。
2023年度サービスインを目指して防災・減災に貢献できる製品を創出していく。

4-2.屋外可搬型バッテリ装置
天候の影響を受けない、発電エネルギーの高効率蓄電技術を検証を行っていく。
機器の小型化を図り、設置容易性の更なる向上を目指す。同時に製品化に向けて取り組んでいく。

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